イノセント・ガーデン

 

 

先週イノセント・ガーデンという洋画を観た。

ど真ん中ドストライクドンピシャだったので記憶に残しておきたい。

以下ネタバレ

 

f:id:panslabyrinth:20180706234210j:plain

 

 

イノセント・ガーデン (字幕版)

イノセント・ガーデン (字幕版)

  • パク・ チャヌク
  • スリラー
  • ¥1000

 

 

 

 

1.映画冒頭

 

車からハイヒールを履いた少女が出てくる

荒れた草原を見つめながら

 

私の耳はとても鋭く、私の目は遠く離れた小さな物も見逃さない

欲望が感覚を研ぎ澄ませる

私は救われたい 満たされたい

スカートにも風が必要だ

私じゃないものが私を作る ママのブラウスにパパのベルトを締め、靴は叔父の贈り物 これが私だ

花が色を選べないように、人は自分を選べない

それに気づけば自由になれる 大人になると解き放たれるのだ

 

この部分を観て「あ~~~!当たりの映画を引いちゃった~~~!」と思った。

 

大人になると、思ったことの何%を口に出すか・人に伝えるか、

また、それをどう伝えるかといったコントロールはある程度できるようになるけど

1番最初に脳に浮かぶことってもう変えられないんじゃないかなと思っている

 

さらに最近自分はつくづく性格の捻くれた人間だと思う出来事があったんだけど

私もこんな自分を選んだわけじゃないなとしみじみ

幼少期や多感な時期に身についた価値観を100%払拭するのは難しいと思う

 

冒頭のこの台詞、映像も含めてだいしゅき.....

 

 

2.叔父との連弾

インディアが叔父チャーリーの殺人、冷凍庫にアイスを入れさせた意図に気づく。

冷凍された夫人を見ても、警察に通報したり叔父に詰め寄ったりせずに、

叔父の姿や声を思い出してゆっくり瞬きをした後、ピアノを弾き始める。

 

これがまた綺麗な曲

インディア1人で弾いててもうっとりするくらい綺麗な曲なんだけど、

叔父が割り込んできて連弾になると、深みが増す。

覚醒済みのサイコと孵化途中のサイコが共鳴した描写なんだろう

 

f:id:panslabyrinth:20180707003548j:plain

 

 

3.目覚

叔父チャーリーと母のキスシーンを目撃したインディアは学校の同級生ホイップに会いに行く

キスをするが噛んでしまってホイップが逆上

無理やり襲おうとする

 

ホイップの背後からチャーリー登場

インディアに跨るホイップの首をリチャードのベルトで締め上げる

 

絶対来ると思ったよね、このサイコパス!!!(褒め言葉)

 

そして、インディアは目の前で人が首を折って死ぬところを見ることになる

 

ホイップを埋めた後2人は帰宅

インディアはさっきの出来事を思い返しながら、シャワーを浴びる 

次第に嗚咽が聞こえてくる

 

えっ!!!ショックで泣いてるの!?

これって無垢な少女が自分の中の異常な欲望に目覚める話かと思ってた!

ってすごく動揺した。

 

シャワーを浴びるインディアの上半身が映り、下腹部が....

 

あっ泣き出してない!!!

ホイップが首を折られて死んだ場面を思い出してオナニーしてた....

泣き声だと思ったのは喘ぎ声でした。私純粋だった。

 

絶頂を迎えた後のインディアの顔はなんとも色っぽくて鮮やか

 

f:id:panslabyrinth:20180707215813j:plain

 

 

 

4.叔父の過去と父の死因

叔父は過去に弟を生き埋めにして殺してた

弟を埋めた場所で謎の動きをする

インディアもベッドの上でしてたね、血筋を受け継いでるということなんでしょう。

 

弟を殺した叔父チャーリーは精神病院と思われるところに入院し、

インディアの誕生日に退院

インディアの父であり、叔父の兄であるリチャードが迎えに来る

 

チャーリーはリチャードから車やお金、NYの地図を渡され

兄の家に迎えられないことに気づく。

 

既に姪のインディアに執着していたチャーリーは

「僕はうちに帰れないの?」といって泣き出す

「お前をインディアや家族に近づけたくない」

「僕も家族だろ 家に帰れない家族ってなんだよ」

 

 

 

映画の最初のほうでチャーリーがインディアの家に居候することになって、

 

「君と友達になりたいんだ」

「その必要はないわ だって家族でしょ」

 

っていうチャーリーとインディアの会話があったけど、

家族だと言われてチャーリーはすごく嬉しかったのではないかな。

それと同時にやっぱり姪は自分と同じ血を継いでいると確信したんだろう。

 

 

 

5.18歳の誕生日プレゼント

今まで父からの贈り物だと思ってた靴は全て叔父チャーリーからだった

 

「待ってたよ お前を 何もかもお前のためだった」

 

インディアの前に跪き、プレゼントを取り出す叔父

18歳の誕生日プレゼントは今までのような靴ではなく、

暗い赤色のハイヒール

 

インディアの靴紐をゆっくりほどき、ハイヒールを履かせる

 

f:id:panslabyrinth:20180707220754j:plain

 

このシーンでまたしてもゾクゾクした。最高

ハイヒールって夢がある。少女が女性に孵化する瞬間の象徴

チャーリーが跪いてインディアの足をとり、

インディアが自ら足を入れるといいう動作も全て、サイコがサイコを目覚めさせた暗喩に思える。

 

 

6.巣立ち

叔父チャーリーが家を出る。

 

インディアを連れて行かないでという母の首をベルトで締め上げ

「インディア!見に来い!インディア早く来い!」

すっごいキラキラした顔。少年みたい。

 

狩用の銃を持って現れるインディア もちろんハイヒール履いている

インディアの足元、ハイヒールを見た叔父はインディアの覚醒に歓喜するが

銃殺されたのは叔父

 

翌朝、チャーリーを庭に埋め、

チャーリーがリチャードから貰った車で旅立つインディア

 

今まで履いていた靴は置き去りに。

 

f:id:panslabyrinth:20180707221937j:plain

 

 

 

 

道中スピード違反で止められるインディア

「急ぎか?飛ばしてたな」

「胸がワクワクしてるわ。」

 

チャーリーから奪った、元は父リチャードのサングラスを外して

 

「わざと飛ばしてたのよ」

「何のために?」

「気を引きたくて」とウインクするインディア

 

 

あ~~~!!!最高に痺れる。

お腹を空かせたハイエナはこんなに魅力的か

 

鋏で首を刺され、道横の草原に倒れるようにして逃げ込む警官

 

 

ここから冒頭と同じシーン

 

f:id:panslabyrinth:20180707223926j:plain

 

インディアは車から出てきて、草原を見つめて笑ってる

スカートが風ではためく

 

銃を構える

 

雑草はわりと育ってて警官は四つん這いで逃げ惑うため、

もちろん道路で突っ立てるインディアから警官の姿は見えない。

 

でも、冒頭のセリフで

私の耳はとても鋭く、私の目は遠く離れた小さな物も見逃さない

とあるように、インディアには見えないこと・聞こえないこと=障害ではない

 

 

草原の花が血で染まってエンディング

エンディングの曲も最高にいいです、ちなみに映画冒頭のクレジットもオシャレ

 

 

 

父リチャードはインディアの猟奇性に気づいていて、代わりとして狩りをさせていた。

インディアいわく、

時々悪いことをすれば本当に悪いとはしないから らしい。

だがインディアは結果的に人を殺したいという欲望に目覚め、

父との狩りで習得した視覚や聴覚がインディアをサイコキラーたらしめている

 

ここらへんは皮肉で切ない。

 

ブラックスワンのスタッフが手掛けたそうで、

あれも無垢な少女が自分の欲望を知る大人の女に孵化する話だったな。

これもある種の成長であり解放なんだろう、大好物ですわ

 

良い映画をありがとう。

主演ミア・ワシコウスカの眉間に皺がよった気だるげな表情も大好きです。

 

 

f:id:panslabyrinth:20180707223855j:plain

f:id:panslabyrinth:20180707223833j:plain